入社の決め手は、直感でした
仕事では素直、プライベートは頑固。一度決めたら突っ走っちゃう。高校時代の留学もそうでした。親に内緒のまま勝手に奨学金制度に応募して「留学決まったから宜しくお願いします」という感じでした。留学をしようと思ったのも「やっぱり英語は必要だ」くらいの気持ちで、その後に何をしたいかなんてありませんでした。帰国後、高校の単位が足らず、本当は留年をしなくてはいけなかったのですが、校長先生に直談判をして進学をさせてもらいました(笑) サイバーエージェントを就職先に選んだ決め手は、最後は直感でした。一言で言えば、成長産業の中で自分自身も引き出しを増やしながら経験値を積んで成長していくことを求めていたんです。2004年に入社しましたが、当時はまだスタートアップでしたから、サイバーエージェントは無名の会社でした。
イキイキとしていて心を奪われた
当時、就職活動をしている時は、私自身も誤解をしていましたけれど、いわゆる大手企業に入社して「凄いね、そんなところに就職できたんだ」みたいなところが無意識の内にゴールになってしまっていたところがありました。いくつかの大手企業から内定を頂いたのですが、最終的に決断をする時に「やっぱりそうじゃない。若いうちから裁量権を持たせてもらい、いろんな仕事に挑戦できて、どう働くかの方がよっぽど重要なんだ」ということに気づいたんです。就職活動をする中で「せっかく働くのなら」と考えるようになったのは、サイバーエージェントの内定を頂いた時にお会いした先輩社員から影響を受けたことが大きいです。印象的だったのは、年齢が一つ二つしか違わない人たちがみんな自分の仕事を楽しそうに語っていたこと。他に内定を頂いた企業の先輩社員と比べても明らかにイキイキとしていて、キラキラと話す姿に心を奪われました。
自分の勝ちパターンを作っていく
私の新人時代は、サイバーエージェントが広告代理事業を立ち上げたばかりの頃でした。雰囲気も本当に「ベンチャー」で、1年目から自分で仕事を獲りに行って、分からないながらにも模索しながら「とりあえずやってみる」という文化がありました。私自身の仕事は、営業としてお客様に広告のご提案をしに行く、プロモーションを企画立案していくというものでした。有難いことに、その7年半の営業時代に数々の社内賞を受賞することができました。目的達成に対する執着心が人よりも強いのかもしれないですね。でも、結果を出せるようになるまでの失敗も人より沢山していると思います(笑)その経験が度胸や、色んな意味での経験値を醸成させたと思います。また、新しいビジネスの中で成功事例なんてまだない頃だったので、自分で考えて成功パターンを生んでいく、という環境にも育ててもらったのかもしれないですね。
女性であり、母であり、社長であること
現在は、スマートフォン向けのオークション「パシャオク」を運営する子会社の社長をしています。育児をしながら会社を経営していて、働く女性のロールモデルですね、とおっしゃっていただくこともありますが、自分自身はあまり大袈裟に考えていないんです。入社2、3年目の頃に藤田(サイバーエージェント社長)から、何かのおりに「サイバーエージェントの女性社員のロールモデルになって欲しいんだよね」と言われたことがありましたがそれを言われたからといって何か違うことをしたかというと、それまで通りの行動しかしていないです。でも、私みたいな生き方、キャリアの積み方、こういう女性の働き方という「型」があることで、後輩が従来の価値観ならちょっと諦めていたかもしれないことを、「あの人もやっているから多分大丈夫だろう」と、そんな想いが少しでも芽生えてくれたらいいかな。 正直に言うと、地位や役職に興味はありません。「パシャオク」という今任されている領域で成功して初めてロールモデルと言えると思いますし、目先のことに集中して成功させることだけをひたすら考えています。