「ビール」 その特別な存在感。
たかがビール、されどビール。ビールの持つ力を強く感じるようになったのは、社会人になってからのことです。多くの人はあまり意識をせずにビールを手にしていると思いますが、嬉しい時も悲しい時も飲みたくなってしまうモノがビールだと思うんですね。幸せな飲み物です。そんなビールの良さや存在感を以て、お客様とより強い絆を持てているというのがサッポロの強みだと感じています。「どれでも良いから、サッポロ。」ではなくて、「サッポロだから、私は選ぶ。」そういったモノ選びの感覚を、より多くの人々に伝えるのが、現在の私の仕事です。緻密に練られた戦略を、シンプルなメッセージとしてお客様に伝えること。「黒ラベル」ブランドマネージャーとして、大切にしているのはそんな姿勢です。
人のチカラと企業のチカラ。
仕事をする上で大切にしているのは、「俯瞰した視点」を持つこと。自分の仕事を振り返ると、「勉強不足だったな」「浅はかだったな」と感じることが多いんです。もちろんその当時ではその選択がベストだったのですが・・・。常に自分の決めることに自問自答をしながら、問題を見つけていく。そういった視点を、広く数多く持っていくためにも、会社の中での縦のつながりは大切だと感じています。そうする世代間の交流によって、自分の力を人の力にして、人の力が会社の力になっていくサイクルが生まれていくのです。私自身のフェーズとしても、自分の得た能力を組織の力に変え、自分の経験を「組織知」として貯めていく努力が必要な段階に差し掛かっていると感じています。
自分の仕事を語れるか。
ブランドマネージャーとして「黒ラベル」を担当し、責任やプレッシャーも日々感じるようになりました。ただ、自分の下した決断が「重要」だということ、これが一番のやりがいでもあるのです。それが成功したとしても失敗したとしても、自分のやりがいであることに変わりはありません。何人と経験することができない仕事ですから、それをできているだけでも幸福だと感じています。大学生のころに、自分が「語れる」ものを軸に就職活動をした理由は、もしかすると、現在のやりがいに繋がっているのかもしれませんね。「語れる」くらい自分が関われること、自分の意思決定が重要な意味を持つこと。自分で決めたことを一所懸命やっていきたいという願望は昔から変わっていないところです。
共鳴する「こだわり」のために。
130年以上の歴史を持つサッポロ。商品やモノづくりの形が変わっていっても、変わらないのは社員の姿だと感じています。人としてのあたたかさ。人間味あふれる姿勢。これらはメーカーとしての「誇り」「こだわり」に最も生きているルーツです。大胆なことではなく、小さなことでも一つひとつこなしていくことが、お客様へおいしいビールを届けるのだと、社員全員が信じていることが会社としての魅力なのでしょう。それは、モノづくりの現場だけでなくて、どのセクションに携わる人でも、同じこと。自分で作っているわけでも、売っているわけでもなくても、自信をもって商品を伝える気持ち。その想いがお客様との絆を結ぶ鎹となっているのです。これからも、私たちの「こだわり」が、お客様の「こだわり」と共鳴することを願ってやみません。